今回はこちらの書籍をご紹介します。
「アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉」
小倉 広 著(ダイヤモンド社)
小倉さんはアドラー心理学でビジネス展開している仲間達のなかで兄貴分的な存在の方で、私も大変お世話になっています。そんな小倉さんが2014年に出した「アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉」の続編にあたる今回の新作は、前作にも増してアドラーの至極の言葉と小倉さんの渾身の解説に溢れています。
今回の内容は「自己変革」に焦点が置かれています。
普段コーチングや会議ファシリテーションの仕事を通じて、自分自身が変わることの必要性を感じている方に多く出会います。そうした方々にとってこの本は貴重な一助になるのではないでしょうか。
私が特に関心を持った箇所は、本書70番目の言葉。
「アルコールが人の本性を変えるのではない。飲んでいないときに上手にかくしていた本性が、気の緩みとともに、表に出てきただけである。」(全文引用)
最近も「あの時はお酒が入っていたので、つい…。でも、本当の私は違うんです」と、責任を全てお酒に転嫁している人に出会いました。アドラーの理論からすれば、この方は自分が思わしくないと感じている「本性」の部分(これを「劣等感」と言います)に正面から目を向けていないことになります。つまり自己変革を自ら阻んでいるのです。
こうして考えると、相手を深く知るために共に盃を交わすということは有効なのかもしれません。職場での「飲みにケーション」など、最近ではすっかり時代遅れのものとなりつつありますが、それでも、あと2か月もすれば忘年会のシーズンがやってきます。単にはしゃぐだけの場としてではなく、お互いを理解する場として活用してみてはいかがでしょうか。
渡邉幸生