アドラー心理学とコーチング&ファシリテーション

苦手なあの人との付き合い方⑥

苦手なあの人との付き合い方⑥

人間のパーソナリティをアドラー心理学とは異なる視点で見てきた「ソーシャルスタイル」。マトリックス図の最後の象限は「思考タイプ」(アナライザー)です。

 

これまでの内容はこちら

苦手なあの人との付き合い方①

苦手なあの人との付き合い方②

苦手なあの人との付き合い方③

苦手なあの人との付き合い方④

苦手なあの人との付き合い方⑤

 

このタイプは感情表現度も思考表現度も「低い」という位置に属します。「低い」というのは決して「劣っている」という意味ではありません。ここで言う「低い」及び「高い」は人間の個性としてのものであって、「優劣」を示すものではないことを改めて強調したいと思います。

 

 

では、このタイプの人はどんな特徴の持ち主なのか、早速見ていきたいと思います。

 

思考タイプ(アナライザー)の特徴

一言で言うと「分析家」です。とても論理的な思考の持ち主で、物事を客観的な視点で捉えます。また計画性があって、細かい分析にも粘り強く正確確実に取り組みます。そして結果以上にそこに至るプロセスを大切にします。

 

基本的に感情は表に出しません。人との関わりにとても慎重で、大人数での行動を好みません。その分、孤独な環境の方が心地良く感じます。

 

控えめな性格で、対立を避けようとするため自己主張もあまりしないタイプです。慎重に筋道をきちんと立てて考えるため、問題解決には優れた力を発揮しますが、意思決定などの決断には時間が掛かります。

思考タイプ(アナライザー)の弱点

では、過度にストレスが掛かると果たしてどんな反応を見せるのでしょうか?このタイプの人はとても「回避的」になります。極力、目の前の問題を避けるようになり、口数もいつも以上に減っていきます。何かを発言する際は、事実や論理的な側面に偏ることでとても理屈っぽくなります。当然、理屈をつけて問題から回避するということも起こります。

 

思考タイプ(アナライザー)へのアプローチ

慎重でプロセスを重視する性格なので決して決断を急がせてはいけません。本人のペースに合わせましょう。また論理や客観性も重視するので「あれは、どんな感じですか?」といった曖昧な問いかけも禁物です。「過去3か月間の売上低下の要因として何が考えられますか?」といった形で極力具体的に尋ねた方が良いでしょう。

 

会話においては、本人は1から10まで筋道を立てて話したいタイプです。しっかり時間を取って耳を傾けましょう。また、このタイプの人に説明する場合も論理や客観的データが重要です。指示は根拠を示しながら具体的に出しましょう。話に論理的な矛盾があったり、「なんとなく~」など感覚的な意見を言われたりすると、本人は話を受け入れなくなるので注意が必要です

 

人への関心が強い方ではないので、自分自身が褒められるということにもあまり関心はありません。それよりも自分の専門性を発揮してできた成果に対して称賛すると本人は心地良く感じます。「このデータ分析はとてもわかりやすかったよ」などといった形になります。

 

 

いかがだったでしょうか?これで4つのタイプ全てについての説明が終わりました。コーチングや会議ファシリテーションを実施する際も参加者に対しこれらを意識すると、進行にとても有効な作用を発揮します。実際、私も自分の会議ファシリテーションで参考にしています。⇒ファシリテーションについては「アドラー会議」へ

 

次回は「苦手なあの人との付き合い方」最終回。4つのタイプ同士で最も合わない相性とその対応について見ていきたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

渡邉幸生